今日からいよいよ、人形の頭を作る3日間のワークショップです。
実は今回の訪馬は、このワークショップをしよう!というのがそもそものきっかけだったのでした。
ワークショップは、Ah Tongさん(3枚目写真の左側)のスタジオをお借りして行います。
Ah Tongさんは、木工の仕事をしている人で、看板を作ったり、木版画を作ったりしているのですが、
ここ最近は、布袋戯(中国発祥の指人形ですが、マレーシアでも(主に華人の間で)演じられていて、マレーシアでは「ポテヒ」と読みます)の頭も作っています。
ワークショップのもう一人の参加者はMarcusさん。ポテヒの人形遣いです。
Marcusさんが所属するOmbak-ombak ART Studioのポテヒのグループが、東京で公演を行ったときに、交流をする機会があったのですが、その際に江戸糸あやつり人形の人形を見せたところ、この人形の頭の作り方を教えてほしい、という話になったのです。
ポテヒの人形と江戸糸あやつり人形は、人形の大きさがかなり違い、遣い方も違うので、そのまま使えるかどうかはわからないのですが、とりあえずはやってみよう!ということで、ワークショップのスタートです。
ポテヒの人形の頭は、通常木彫りで作られているのですが、今回は張り子の方法を紹介します。
張り子のプロセスは、
①油粘土で張り子の型のもとになるモデルを作る
②油粘土に石膏をかぶせて、石膏型を作る
③石膏型に、紙を貼りこむ
④乾いた張り子を型から剥がし、前後を張り付け、下塗りをする
⑤顔を描く
です。
今回は3日間で、④まで終わらせる予定です!(無理矢理)
まずは、油粘土で元になるモデルを作ります。
張り子は、細かい凸凹に弱いのだけど、大丈夫なんでしょうか…。
石膏は、顔の前の部分と後ろの部分とに分けてかけるため、分ける部分に切金(薄い金属の板の破片、アルミ缶で作っています)を差し込んでいきます。何枚もの切金をまっすぐの選になるように差していかなければならないので、結構難しいです。
Ah Tongさん、とてもうれしそう。
いよいよ石膏かけです。
石膏はかき混ぜ方によって、早く固まったり、ゆっくり固まったりするものなんだそうです。先ほどの油粘土に少しずつ石膏をかけていくので、ちょうどよいかき混ぜ方になるように、みんなで数を数えながら、ゆっくりゆっくりかき混ぜます。
そして気泡が入ってしまわないよう、息で飛ばしながら、石膏をかけていきます。
片側が乾いたら、もう片側も同様に石膏をかけますが、後で外すときにをはがれやすくするために、石膏の表面に赤い剥離剤を塗っておきます)。
石膏が完全に乾くまでには10時間以上かかるので、今日はここまで。
って7時過ぎから始めて、すでに時計の針は11時を回っていました…。
「お疲れさまでした!じゃあまた明日!」というチームITOに、Ah TongさんとMarcusさんが言った言葉は、
「じゃあこれから夜食を食べに行こう!」
そう、マレーシアは一日5食が当たり前の国。
「えー!」と言ってみたものの、やっぱり小腹は減っていたので、おいしく夜食をいただきました。
(お昼に食べた「福建麺」。2人のこだわりのお店に連れて行ってもらいましたが、正直それほど違うのかどうかはわかりませんでしたw)。
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